内部監査とマネジメントレビューの同時実施

ISO13485内部監査の実施

ISO 13485は医療機器の品質マネジメントシステム(QMS)に関する国際規格であり、その内部監査は特に厳格で詳細な実施が求められます。以下にISO 13485の内部監査の具体的な実施方法を説明します:

  1. 監査準備段階
  • 年間内部監査計画の詳細な策定
  • 資格を持つ監査員の選定
  • 医療機器関連の専門知識を持つ監査チームの編成
  • 前回監査の是正措置の完全な確認
  • 詳細な監査チェックリストの作成
  1. 監査範囲と重点領域
  • 設計開発プロセス
  • リスクマネジメント
  • 製品実現プロセス
  • 滅菌および包装プロセス
  • トレーサビリティ
  • 苦情処理システム
  • 是正・予防措置(CAPA)
  1. 法的・規制要求事項の確認
  • 医療機器規制(薬機法、FDA規制等)の遵守
  • 技術文書の完全性
  • リスクマネジメントファイルの確認
  • 臨床評価文書の検証
  1. 監査実施の具体的アプローチ
  • 文書審査
  • 現場実地確認
  • 関連部門へのインタビュー
  • 製造プロセスの詳細な検証
  • トレーサビリティトレール(追跡経路)の確認
  1. 重点確認事項
  • 品質マニュアルの整合性
  • 文書管理システム
  • 設計管理プロセス
  • 供給者管理
  • 製造・サービス提供プロセス
  • 測定機器の校正
  • 購買プロセス
  • 製品のリリース手順
  1. リスクマネジメント確認
  • リスク分析文書
  • リスク低減措置の妥当性
  • リスクマネジメントファイルの最新性
  • 残留リスクの評価
  1. 文書管理の確認
  • 技術文書の完全性
  • 記録管理
  • 変更管理プロセス
  • 履歴追跡システム
  1. 監査証拠の収集
  • 客観的な証拠の収集
  • インタビュー記録
  • プロセス観察
  • 記録の検証
  1. 発見事項の分類
  • 重大な不適合
  • 軽微な不適合
  • 改善の機会
  1. 監査後の対応
  • 詳細な監査報告書の作成
  • クロージング会議
  • 是正処置計画の策定
  • フォローアップ監査の計画
  1. 監査員に求められる特殊なスキル
  • 医療機器産業に関する深い知識
  • 関連法規制の理解
  • 医療技術の専門的理解
  • 高度な分析能力
  • リスクマネジメントの専門性
  1. 継続的改善のアプローチ
  • データ分析に基づく改善
  • パフォーマンス指標の活用
  • 予防的アプローチの強化

ISO 13485の内部監査は、単なる形式的なチェックではなく、患者の安全と製品の品質を確保するための重要な活動です。高度な専門性と徹底した確認が求められる点が特徴的です。

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